1999年9月7日
シーラス・ロジック(本社:米国カリフォルニア州フリーモント、社長兼CEO:デヴィッド・フレンチ)は、完全なオーディオ機能とモデム通信機能を同時に提供するクリスタル・オーディオ・モデム・チップ「CS4298」を発表した。CS4298は次世代レベルの情報アクセスを可能にしながら、エンタテイメント価値(「サウンド・ライブ」オーディオ体験など)も兼ね備えたSTB、PDA、ゲーム・コンソールといった電子家電市場を意識して開発された製品である。
AMC 97-準拠のCS4298は4チャネルのA/D変換およびD/A変換を提供する。新しいオーディオ/モデム・チップの同じ部分を使用し、4チャネルのオーディオ・サラウンド・サウンド機能かフル・ステレオ・オーディオ再生に高速モデムを加えた機能のいずれかを実現できる。CS4298はコンポーネント・コストとボード領域を節減できるほか、チップのモデム部分とオーディオ部分がシームレスにやり取りできるため、設計上の柔軟性を拡大しサブシステムの統合を簡便化できる。
CS4298はフル・ステレオ・オーディオ再生、録音およびミキシング機能に加え、高速2回線モデム・フロントエンドを提供する唯一のAMC 97デバイスである。オーディオIC分野でリーダーシップを確立したクリスタル(r)の技術力により、このデバイスは、20-ビットDAC、差動オーディオI/O、アナログ入力、5.1チャネルの高性能ディジタル・オーディオ用S/PDIF出力など、幅広く高度なオーディオ技術を実現している。これら全機能は経済的で設計しやすいシングル・パッケージにまとめられ、部品数とコストの節減を同時に可能にしている。
「情報家電および普及するインターネット接続を志向するトレンドは、仕事と遊びの方法を激変させており、この分野の市場成長はCS4298のような強力なチップ・ソリューションに依存している。STB、PDAなどのデバイス市場がその潜在成長力を顕在化するには、手頃な価格でありながらシームレスにやり取りできるフル機能のオーディオ/モデム機能を提供しなくてはならない」とシーラス・ロジックのクリスタル・コンピュータ・オーディオ製品担当副社長、スコット・マクドナルドは語った。 クリスタルの新しい4-チャネル・オーディオ/モデム・チップはOEMの追求する価値と性能を、急成長するACLinkバス(ARMプロセッサ、Intelチップセット、あるいは家電分野をターゲットにしたその他の組み込みマイクロプロセッサで急速に実装が進んでいるオープン・オーディオ・インタフェース・アーキテクチャ)上で提供できる。マクドナルド副社長は、「CS4298の開発は、シーラス・ロジックが達成したもう1つの業界初の偉業であり、高品質かつ高性能なオーディオ・チップ・ソリューションのNO.1プロバイダとしての地位をさらに強固にするものである」と述べた。
複数ソリューションを1つに統合
情報家電では、コーデックとモデム・フロントエンドを統合したCS4298を使用することにより、STBをインターネットへ接続したり、録画済みテレビ放送やPPV(ペイ・パー・ビュー)ムービーを優れたサウンド再生で鑑賞したりするための多目的かつ経済的な単一のプラットフォームに移行させることが可能となる。
Windows CEオペレーティング・システムとAC Linkバスをベースにしたセガやその他のゲーム機器がCS4298を活用すれば、ネット・サーフィンだけでなく、オーディオ入出力をどちらも使ったオンライン・ゲームを楽しめる簡便で手頃な手段を消費者に提供できる。さらにMP3再生機能を組み込んだ次世代PDAは、この様な新しいオーディオ/モデム・チップの優れたコスト・パフォーマンスにより低価格で実現できる。
スペースと重量に制約のあるノートPC分野で、CS4298は高速モデム接続とフル・ステレオ再生のどちらをも提供するディジタル・ドッキング・ステーションを可能にする。また、このモデム・フロントエンド・コンバータは追加のオーディオ・チャネルとして使用し、ハイエンドの4チャネル・オーディオ・サブシステムをデスクトップ、ノートブック、自動車用コンピュータ、STBやゲーム機器で実現することも可能である。
さらにS/PDIF出力により、ディジタルの世界は5.1-チャネル・スピーカやデジタルAVアンプ/レシーバなど幅広い最先端のサウンド・システムへのディジタル出力を可能にする。このため、CS4298を使用したPCやSTBを購入し、DVDプレイヤーに接続した場合、価格に敏感な消費者でも納得できる価格帯でレコーディング・スタジオ並みのサウンドを体感できることになる。CS4298は圧縮されているAC-3データを4つのデジタル・スピーカやAC-3アンプ/レシーバに送信できるため、そのフレキシビリティによりOEMシステム設計の簡素化に貢献する。
経済的な「ソフト・モデム」設計を実現
高度に集積されたCS4298は、オーディオ機能とインターネット接続のための部品数を節減できるため、手頃な価格帯の情報家電市場やPC市場に最適である。また、そのモデム・フロントエンドにより、メーカは製品に経済的な「ソフト・モデム」を組み込むことも可能になる。CS4298はモデム・フロントエンド変換タスクのすべてを扱うため、バックエンド・モデム機能はシステムに組み込み済みのプロセッサで実行される。このソフト実装によりモデムDSPの必要性がなくなり、システム・コストの節減をいっそう進めることができる。
包括的なデザイン・インのサポート
シーラス・ロジックは、ソフト・モデムの主要サプライヤの製品とCS4298との互換性を確保するため、主要サプライヤとの共同作業を進行中である。また、統合されたオーディオ・コーデックとモデム・フロントエンドとして、もしくは4-チャネル・オーディオ・サブシステムとして、CS4298の機能性を実証するためにAMR (Audio Modem Riser) 準拠のリファレンス・デザイン・ボードを提供している。これらのイニシアティブは併せて、CS4298搭載の製品を市場にすばやく投入できるよう顧客を支援するシーラスの包括的な設計サポートを構成している。
AC 97/AMC 97(オーディオ・コーデックやオーディオ・コーデック・プラス・モデムとアナログ・コントローラをインタフェース接続するためのオープンな業界標準)に準拠するオーディオ・コーデックの主要プロバイダとして、シーラス・ロジックはそのAC 97テクノロジーと製品ラインの顧客基盤をすでに確保している。現在の主要な顧客には、IBM、インテル、デル、ヒューレット・パッカードのほか、多数の主要OEMがある。
出荷/価格設定
CS4298オーディオ・コーデック・プラス・モデムは、現在量産出荷が可能であり、価格は10,000個以上出荷時の単価で3.50米ドルである。