1999年11月2日
シーラス・ロジック(本社:米国カリフォルニア州フリーモント、社長兼CEO:デヴィッド・フレンチ)は、精密測定システム・オン・チップ・ソリューション「CS553x」ファミリーを発表した。このCS553xファミリーは、高性能アナログ技術を適用してシステム・レベルの問題解決を図ることを目的としており、新たな展開を可能にするレベルの正確さとデザインの柔軟性を実現している。また、革新的なクリスタルMultiPath(tm)アンプリファイア・コア、つまりデバイスとして世界で最も低ノイズ・レベル(0.1 Hzで6nV/√Hz)と最高の分解能(23ビットまでの真のノイズ・フリー測定パフォーマンス)を提供可能にする独自のアーキテクチャを組み込んでいる。これらのチップは高度に集積化を進め、競争価格を実現しており、プロセス制御や医療機器といった市場で4kHzまでのサンプル・レートを必要とする精密測定アプリケーションにとって理想的なソリューションとなっている。
CS553xファミリーは非常に優れたパフォーマンスに加え、システム・オン・チップの統合を進めており、精密データ・アクイジション・システム設計を簡素化できる。この新ファミリーはシングルチップ上にマルチプレクサ、PGA、A/Dコンバータを統合することにより、アナログ・フロントエンド設計を大幅に簡素化し、システム・エンジニアは設計期間の短縮とコスト削減を図ることができる。
シーラス・ロジックのクリスタル産業&通信事業部担当副社長兼ゼネラル・マネージャー、エリック・ブロックマンは次のように語った。「データ・アクイジション・システムの設計者にとって、システム・パフォーマンスを達成しながらアンプ、マルチプレクサ、A/Dコンバータとインタフェース接続する回路基板をどのようにレイアウトするかは最重要課題である。シーラス・ロジックのCS553xファミリーはこの問題の解決に成功した。使いやすさと優れたアナログ性能により、基板レベルのアナログ設計の背景にある複雑な技術を使ったり、回路基板を何度も改訂したりせずに、他の追随を許さないアナログ性能を備えた製品を開発できる状況が整ったのである」
パフォーマンス向上の決め手となるMultiPathアーキテクチャ
CS553xファミリーは、特許権を有する超低ノイズの新しいMultiPathアンプ・アーキテクチャ等、数多くの先進技術を取り入れている。この革新的なアーキテクチャは、全入力レンジにおいて6nV/ √Hzという一定のノイズ・レベルを保つ事を目的とし、ノイズ・パフォーマンスの新しい標準を打ち立てている。このアーキテクチャにより競合するディスクリート・バイポーラ・オペアンプで頻繁に発生してしまう低周波数における1/fノイズを除去することができた。
シーラス・ロジックのクリスタル産業事業部担当のアンプ設計者兼デザイン・マネージャー、アクセル・トムセンは次のように述べた。「シーラス・ロジックはチョッパスタビライズの誕生以来30年の技術を、世界クラスのパフォーマンスを実現するアンプ開発のため、全く新しいアーキテクチャとして活用した。当社の新しいA/Dコンバータ製品に組み込んだMultiPathアンプはCMOSベースの他のチョッパスタビライズアンプと比較すると、0.1~10 Hz範囲で10分の1の平均ノイズ・レベルしか発生させない。この優れたノイズ・パフォーマンスは、新しいシステム設計に無数の可能性を切り拓いた」(「CS553xによるパフォーマンス向上」を参照)
超重量から超微量の計量までを1チップで実現
システム設計者はCS553xを活用して広範囲の信号入力で高精度の測定を実行できるため、メーカは複数の製品ラインで共通のハードウェア・プラットフォームを使うことができる。例えば計測器メーカは、同じチップを使い、数千ポンドといった高重量から1オンスに満たない微量までの貨物を計測する計器や、小数点以下のカラット単位で宝石を計る計器を開発できる。
精密機器メーカでは、CS553xファミリーを利用し、今日のパフォーマンス・レベルを遥かに上回る分析デバイスを開発できる。クロマトグラフのような精密デバイスなら、低濃度のトレース要素でも検出できるようになる。また、患者モニター・システムや胎児酸素集中供給システムのような医療機器では、患者の様態追跡を高精度に実行できる。
コンポーネント数の削減と、設計の柔軟性の向上
CS553xファミリーのICは、製造、設計の柔軟性、テスタビリティ、経済性を改善する数多くの機能を組み込んでいる。CS553xは市場の他の精密計測チップより優れた幅広い利得を得るために個別の高精度抵抗やアンプといった高価な外部コンポーネントを購入したり設定したりすることが不要となった。さらにMultiPathアーキテクチャには、シーラスが特許権を有するキャリブレーション・エンジンが組み込まれている。このエンジンは、システム・エラーまたはゲインエラーを訂正するためにチャネル毎のキャリブレーションを可能とし、5mVから5Vまでの範囲の様々な信号振幅に対応できるようにユーザによるチップのデジタル微調整を可能にする。このシーラス・ロジック独自のテクノロジーによって、コストと時間を要する手作業による調整が不要になった。
パッケージ/価格/出荷予定
CS553xチップ・ファミリーの製品には、SSOP(Shrink Small Outline Package)タイプのパッケージで、ビット出力設定は16-ビットと24-ビットの2種類がある。ピンとチャネルのオプションは2チャネル/チップで20-ピン、4チャネル/チップでは24-ピンとなっている。各種要素の組み合わせを考慮した多様な選択肢から選ぶことができる。各製品とも量産出荷が可能で、評価基板はソフトウェア付きで特約店を介して出荷される。
回路図及びレイアウトの無償レビュー
シーラス・ロジックは、顧客の製品開発と製造を支援する世界的かつ包括的な顧客サポートを行っている。機密保持のもとで行う回路図及びレイアウトの無償レビューなど、アプリケーション・エンジニアリング・サポートについては、電話(通話料無料:1-800-888-5016)、電子メール(datacq@crystal.com)、または各特約店を介して受け付けている。
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CS553xによるパフォーマンス向上
DC測定アプリケーション(プロセス制御、はかり、医療機器、精密分析)で業界最低の平均ノイズ・レベル(0.1 Hz~10 Hz)を実現し、±80 mV信号で21-ビット以上という真の測定アプリケーション・パフォーマンスを可能にする
他社の計装バイポーラ・オペアンプに比べ、0.1 Hzにおけるスポット・ノイズ・レベルで10分の1を達成し、超低周波数域の精密測定を可能にする
他社の計装バイポーラ・オペアンプに比べ、0.1 Hzから10 Hzまでの平均ノイズで3分の1を達成し、全入力レンジで精密測定を可能にする
他社のCMOSベースのチョッパスタビライズアンプに比べ、0.1 Hzから10 Hzまでの平均ノイズで10分の1を達成し、最高のクラス・パフォーマンスを実現する
競合他社製品であるA/Dコンバータ・ソリューションと同じ入力範囲と帯域におけるノイズ・レベルの10分の1から30分の1を達成し、よりエラーのないデータを保証する
最も競争力のあるバイポーラ・オペアンプのオフセット・ドリフトの25分の1を達成し、温度についての精密測定を可能にする
歪みゲージに必要な励振電圧の2分の1(業界標準10Vに対して5V)を達成し、低ドリフトによる超高分解能測定への移行を容易にした
超低レベル信号の最高分解能(5 mV入力範囲で18ビット、2.5V入力範囲で23ビット)を達成し、産業、医療、高精度な監視システムに新たな展開をもたらす基盤を築いた
比較パラメータ
CS553x MultiPath アンプ 競合他社製業界最高のバイポーラ・オペアンプ*
Input Offset Voltage (G=64)5uV Max 25uV Max
Input Offset Voltage Drift (G=64) 10 nV/℃ 250 nV/℃
Spot Noise (G=64 @ 0.1 Hz) 6nV/sqrt Hz 50nVsqrt Hz
Integrated Noise (G=64 P-P 0.1Hz -10Hz) 110nV 280nV
1/f noise Corner (G=64) 0.1 Hz (no 1/f noise) 10 Hz
Gain Non-Linearity (G=64) 2 ppm (19 bits) 10 ppm (16.5 bits)
* 上図の数値は競合他社製品データ・シートより抜粋掲載