1999年11月12日
シーラス・ロジック(本社:米国カリフォルニア州フリーモント、社長兼CEO:デヴィッド・フレンチ)は、6世代にわたり培ってきたCMOSリード・チャネル開発技術を活かしデスクトップのハードディスク(HDD)市場向けにエンハンスト0.25-ミクロンCMOSプロセスによる転送レート550 Mbps(2)の新しいリード・チャネル「SH3365」を開発したと発表した。CMOSリード・チャネルSH3365は、シーラス・ロジックが特許権を有するPRML(Partial-Response-Maximum-Likelihood)技術と、先進の独自ディテクタ・アーキテクチャを組み合わせて開発された。これにより、HDD製造メーカは2000年の第2四半期までにデスクトップHDDのプラッタ単位で15ギガバイト以上の記憶容量を収容できるようになる。
シーラス・ロジックの磁気ストレージ事業部マーケティング担当のピーター・ヒレン副社長は、「デスクトップHDD市場では、面積密度が増大途上にあるばかりでなく、スピンドル速度が5400 rpmから7200 rpmに移行している状況にあり、ビット・エラー・レートの低減とデータ転送レートの向上が同時に要求されている。シーラス・ロジックの新しいリード・チャネルは特許権を持つCC2コーディング・アルゴリズムを採用し、他の追随を許さないビット・エラー・レートを約束する。さらに、転送レートは550 Mbpsで、業界最速の0.25ミクロン・リード・チャネルコアの1つとなっている。次世代デスクトップHDDにとって理想的なコンポーネントを構成している」と述べた。
記憶容量の増大とスピンドル速度の向上を推進
デスクトップHDD市場では、スピンドル速度が5400 rpmから7200 rpmに移行し、記憶容量の増大も続いており、ノイズからエラーのないデータ信号を抽出する機能を開発するのは困難であった。こうしたエラーを最小限に抑え、他の追随を許さないデータ整合性を提供するために、PRML(Partial-Response-Maximum-Likelihood)リード・チャネル(3)のパイオニアであるシーラス・ロジックの専門技術チームは特許権を持つ新しいCC2 PRMLアルゴリズムを開発した。CC2アルゴリズムは冗長ビットをデータ・ストリームにオン・ザ・フライ付加できる為、一般的に高密度HDD製品に発生しやすい特定タイプのトランジッション・ノイズに対応するディテクタの性能を強化することができる。この特許権技術に先進の16-ステートViterbiディテクタを併用すると、HDD製造メーカはEPR4(Enhanced Partial Response Type 4)リード・チャネル上で記憶容量を15%まで増大させることが可能となる。
デスクトップHDDで最高のユーザ密度を実現
転送レートを選択できるRLLエンコーダ/デコーダであるSH3365は、望ましい冗長ビット数に基づき、レート・コードの24/25、48/51、または48/52 (d=0)用にプログラミング可能である。冗長ビットをオン・ザ・フライ付加できる為、ユーザ・ビット密度が高いほど高性能を実現できる。さらに、高密度とそれに付随するソフト・エラー・レートの高さに対処できるのは、エラー許容データ同期マーク回路である。この特許権を有する回路には、ハードディスク・コントローラを変更せずに済むオプションのデュアル同期マーク機能が搭載されている。高密度のデータは直接的にプラッタの記憶容量を増大させる。
転送レート550 Mbpsのシステム・オン・チップ・ソリューション
今回の発表は、コアの各要素をその3Ci(tm)プラットフォームに同時にインテグレートできるようにするというシーラス・ロジックの熱心な取り組みの証である。3Ciシステム・オン・チップは、転送レート550 Mbpsで信頼性の高いデータ・アクイジッションを可能にするPRMLリード・チャネル、システム制御およびサーボ機能を担当するARM 32-ビット・プロセッサ・コア、このデバイスをPCや民生用デバイスにリンクするUltra ATA 66または1394コンパチブル・ハードディスク・コントローラなど、主なHDD機能のすべてを搭載している。また、3Ciチップは顧客のサーボ・ロジックおよびARMプロセッサ・プログラム・メモリをインテグレートするので、HDD設計を完成させるために必要なシステム機能としては、プリ・アンプ、モータ・ドライバ、バッファ・メモリしか残らない。
ピーター・ヒレン副社長は次のように語った。「HDDエレクトロニクス分野では、インテグレーションという言葉が競争力の鍵を握っている。当社は早くから、システム・オン・チップのHDDソリューションを開発する鍵は、すべてのサブシステム機能を標準CMOSで設計および製造できるか否かにかかっていると自覚していた。シーラス・ロジックはシングルチップによるHDDソリューションの唯一のサプライヤとして、リーダー・ポジションを確固たるものとするために、スタンドアロン・コアとインテグレーション・コアの各コンポーネントを同時に提供する。当社の顧客は統合ソリューションを利用して市場投入までの期間短縮目標を達成できることとなる」
実績に基づいたシステム・レベルの設計サポート
シーラス・ロジックは6世代にわたるCMOSリード・チャネル設計の経験を活かして、定評のある評価/開発ツールの包括的パッケージをHDD製造メーカに提供できる。また、業界で最も経験を積んだシステム/フィールド・アプリケーション・チームを組織して世界中の顧客をサポートしている。
量産出荷予定と価格
SH3365は、最先端の0.25-ミクロンCMOSプロセスで製造される。新しいPRMLリード・チャネルの量産出荷は、2000年第2四半期に予定されている。量産ユニットの価格は、10万個出荷時の単価で6米ドルに設定されている。
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(1) シーラス・ロジックの3Ciプラットフォームは、『EDN Magazine』誌の「1998年度の革新的デジタルIC賞」(1998 Digital IC Innovation of the Year Award)を受賞している。
(2) リード・チャネルのデータ転送レートは、最悪のハードディスク環境を反映する。一般的なデータ転送レートは、公称値の電圧と温度で650 Mbpsまでとなる。
(3) シーラス・ロジックは1993年に、デスクトップHDD市場に業界初のPRML CMOSリード・チャネルを投入した。